ここではない、どこか遠いところ

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父の病気

父が癌になりました。

癌になったのは初めてではなく、数年前にも一度別の部位で癌をやっています。が、そちらは治っていて、再発や転移ではなく新たに癌ができました。

肺癌です。

以前も書いたのですが、父はずっと煙草を吸う人でした。訳あってここ2年ぐらい吸っていないけれど、それまでは毎日吸っていたので、肺癌になっても驚きはしません。

現在、ステージ4です。最初発見された時(2ヶ月半前)はステージ3で、手術をしました。で、手術の検査の結果リンパへの転移が見られずステージ2になったと言われ(その仕組みもよくわからないんですが)、けっこう喜んでいた矢先に、脳への転移が見つかってステージ4になってしまいました。癌の進行ってこんなに早いんですね。

脳の転移は小さいため、放射線でつぶし、その後抗がん剤をやるかどうか検討中という段階です。

そんな感じですが、私が書きたかったことは癌の治療の話ではなくて。

親がいなくなるという事実を受け止めるって難しいな、ということです。

そんなの当たり前じゃんって話だし、私だってこうなる前からそう思っていましたが、実際に「いなくなるかも」って思うとなかなかしんどいものですね。

一番しんどいのは、両親の仲がよいということなんです。

ずっとツガイのように生きてきた彼らにとって、先に逝く、後に残される、そのどちらも苦しいことだと思います。いや、とても当たり前の話なんですけどね。

とにかく仲がいいんです。いつも一緒に行動しています。未だに寝室も一緒でベッドをぴったりくっつけて寝ています。私はそれを普通のことだと思って育ったけど、たぶんそこまで普通でもないのかな、って(仕事でいろんな家庭を見るせいもあって)思うようになりました。

実は今日まで実家に少し帰っていたのですが、抗がん剤をやるとなると一週間ぐらい入院するのかな。という話をしていて、母が「一週間も一人なんて寂しい」と言ったら、父が「一週間ぐらいなんだ。この先ずっと一人になるのに」と言いました。それで黙ってしまって。

たぶん私以上に受け止めきれないのはツガイの片割れなんだと思うんです。

で、私は自分が悲しいとか寂しいという感情よりも、そのツガイが失われることが苦痛に思えてしょうがないんです。

母はまだ(もちろん)受け止めきれていません。肺癌は生存率の低い癌です。ステージ4ともなれば5年生存率は限りなくゼロに近い。そういう情報は得ています。でも「治らないのかなぁ?」と言っています。それが現時点での彼女の素直な気持ちなんです。どうすればいいんだろう?

癌というのは、死を覚悟させられる病気です。ある意味で、死の準備期間があって他の死因よりもいいというようなことを本で読みました。言いたいことはわかるけど、どっちがいいかはよくわかりません。

まだ、すぐにいなくなると決まったわけじゃない。というのはもちろんわかっています。今のところ、手術の痛みを除いて特に症状は出ておらず、脳転移といっても運動障害も認知障害も出ておらず、あまり実感もないというか。

ただ、仲睦まじい夫婦が死別するのを見届ける勇気が、今の私にはない。

強くならなければ。

その程度しか、考えることができないなぁ。

とにかく、私が諦めてはいけない。終わりばかりをイメージしていてはいけない。そう思うようにします。