ここではない、どこか遠いところ

旅行記、写真、読書、日々考えること

「幸せって何だと思う?」|『泣き虫チエ子さん 愛情編』益田ミリ

この本(正確には漫画)を読んですごく驚いてしまいました。

出てくる夫婦があまりにも自分と夫にソックリだったからです。

  • いろんなことに心配性で、少し移り気で、なんだかんだと自分の意見を通しがちなチエ子さん(妻)
  • おっとりして動じず、物事をあまり深く考えず、やさしいサクちゃん(夫)

もちろん、性格のいいところだけでなく悪いところも含めてかなり似ていて、夫にも読ませたら「似てるね」と同意。

それで、「もしかして男女の性格の違いってこんなにも典型的なものなの!?」と驚いたわけです。


ただ個人的な統計によると、私たちのように性格はあまり似ていない夫婦は多い気がしますが、男女が逆のパターンも見るので、これは性差というわけではないかもしれません。

似たもの同士、というカップルもあるかもしれません。でも自分たちに関していえば、似ていないからこそ成り立つ関係だなと常々思っています。まぁ、自分がワガママな性格なので…少し譲歩してくれる人のほうがうまくいく、のかも。二人ともが譲り合うタイプだったら、それはそれで平和ですね。

そんなわけで、この漫画の夫婦にはすごく感情移入してしまいました。


ちなみに夫と妻、どちらが主導権を握るのか?は、けっこう半々だと思います。

というのも、設計という職業柄、夫婦(家族)にたくさんお会いするのですが、表に立つのが夫の場合と妻の場合とけっこう様々なのです。家づくりや建築への興味の度合いがそのまま表れている場合もあるし、これは力関係なんだろうな〜と思うときもあります。余談ですが。

なんでもない幸せ

それはそれとして。
ある日、チエ子さんはサクちゃんに子どもの頃の思い出を話していて、ふと

「サクちゃんにとって幸せってなんだと思う?」

と聞きました。するとサクちゃんは、

「キミがいて仕事があること」

と即答。
その答えに、チエ子さんは胸がいっぱいになってしまったのです。


大切な人がいて、一緒に歳を重ねられること…。
ちょっとスーパーへ買い物に行くこと、夜の公園をぶらぶら散歩すること、時々旅行に行って商店街で食べ歩きすること。
本当に些細な瞬間でも一日として同じ日はなくて、その瞬間のひとつひとつを、自分がいとしいと思える人と共に経験できるということ。

加えて、毎日没頭できる仕事があること。
仕事がただのノルマではなくて、心を穏やかにさせてくれる時間でもあり、楽しんでできている…そんな仕事ができて、稼いだお金で暮らしていけること。
もちろんその「暮らし」で一緒にいるのは、大切な人で、その人と過ごすための時間にお金を使えること。

そんな当たり前だけど簡単ではないことが、
当たり前のようにできていること、
それ自体が幸せだし、そう思えることも幸せなんだと思います。

「キミがいて、仕事があること」

たったこれだけの言葉にそんな「幸せ」がぎゅっと凝縮されている気がしました。


益田ミリさんの漫画はいつも、多くを語らないのに、日常のありふれた真実を浮かび上がらせてくれます。

これは”あるある”なのかな?

あるあるなのかな〜、と妙に共感したのが、「実はあまり好きではないものを買ってきてくれる」ときのことや、美味しいお店で食事してもちゃんと会話してくれず黙々と食べられること(笑)

あとは、酔っ払ってスイーツの代わりにアップルパイのつもりで「パイシート」を買ってきちゃうサクちゃんに、妙に涙が出ちゃうのも、なんだかよくわかります。(これはなんの涙なんだろう?)

「すーちゃん」もおすすめ

益田ミリさんを初めて知ったのは「すーちゃん」シリーズ。
言葉にできないけど、なんとなく胸がモヤモヤする瞬間、なんとなくハッピーな瞬間を、すごく的確にとらえています。

あとはこの『僕の姉ちゃん』シリーズも読んでみたいです。

こんな記事もあります

www.anyplacebut.tokyo