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見るともなく見る日常|トドスサントスクチュマタン(後編)【グアテマラ旅行記19】

*フエゴ火山の噴火について。

2018年5月3日、グアテマラのフエゴ火山が噴火し、多くの方が犠牲になっているようです。

グアテマラはまだそこまで裕福でない国なので、復旧などおそらく時間がかかると思います。

不幸にも被害に遭い命を失ってしまった方のご冥福をお祈りします。怪我を負った方、他にも被害に遭われた方、そのご家族も、どうか一日も早く元どおりの生活ができますように…。



※以下は2013年の旅行記に戻ります。前編はこちら↓
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トドスサントスの“制服”

トドスサントスクチュマタンは、小さな村。

何が変わっているかって、男性の民族衣装がとってもおしゃれ、かつ全員一緒!

女性の民族衣装はグアテマラでは見慣れてしまったけれど、男性で着てる人はこれまでほとんど見たことがなかった。

しかもトドスの衣装は、本当に「なぜだ?制服なのか!?」というお揃い具合。バスに乗った時点でその服を着ている人がいてテンションが上がる。

  • 白地にストライプのシャツ
  • きれいな色で織られた布地の襟
  • ズボンは赤地のストライプ
  • おそろいの青いバッグ
  • そして、超おしゃれな帽子

でもひとりずつ少しずつ、違うのだ。シャツの襟の模様、ズボンの赤の色味、バッグの柄など。

サイジングもいろいろ。若者はけっこうダボっと履いていたり、逆に細身で履いていたり。ブーツインしてみたり。

この感じってまさに日本の学生服。(私は公立だったので、私立はどうかわからないけど)指定はあるけどつくるお店によって微妙にサイズ感や質感が違って「あそこの店は上手い」って噂になったり、自分なりにアレンジして着こなしたり…。



そして女性の衣装も、シンプルながらとても素敵。スカートは無地の紺色、トップスは青系の細かい模様の織物。

男女の組み合わせの妙も含め、ここの衣装の素晴らしいセンスに惚れてしまった。

ん?見てる?

村に着くとまず「わ〜!ほんとにみんな一緒だ!」と感激する私たち。

て、ていうか…?

上から同じ格好をした男の人たちがめっちゃ見てるよ

この光景は夕方になっても次の日の朝も続いた(トドスで一泊した)。不思議。何もせずにぼんやーりと下を眺めている「だけ」なのだ、本当に。

何もしない。

しつこいけど……何も、しない。


これはかなり、面白いけれど異様な光景だった。民族衣装を見て、買い物をして、山に登ったり、人と話したり、ナオミさんと一緒だったおかげでトドスでも退屈せずに楽しめたんだけれど…

私がこの旅で何が一番忘れられないかというと、見るともなく見つづける男の人たち。そう、男。女は一人もいない。

行ってみればわかると思うけれど(と言って行く人もまずいないと思うけど)トドスサントスには、何もない。市場も小さいし、教会とその周辺にお店があるだけで、エンターテイメント性のあるものは何もない。

人々は、あまり大声で話したりすらしない。シェラにいればパルケパルケ〜ミネルバミネルバ〜とかうるさく叫んでたり。ほかの村に行っても、市場が盛り上がっていたりする。けれど、トドスは静かで、何もない。

何もない結果、上から下を眺めている。



そうしたらナオミさんが

こうやって眺めてみるとテレビ見てるみたいで意外と楽しいね〜

と言って実践し始めた。

行った日は土日だった。仕事はないのだろう。もしかして、彼らにとってこれが娯楽なのかしら?と思うとすごく、言葉にできない、もどかしい気持ちになった。

以前も書いたけれど、先住民の人々はテレビもケータイもなくて、その分日常のこまごまとした物事から丁寧に情報を拾っているんだろうと思う。

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そんな感動は他の村でもあったのだけれど、トドスのそれは「こまごまとした物事」というレベルじゃない。

もし、彼らの目に移るテレビジョンから得る情報が、私たちの目の前を通りすぎていく膨大な量の情報と同じビット数なんだとしたら、彼らはいったい何を見て、どうキャッチし、そしてどのように考えているのだろうか?

不思議でたまらない。


もどかしい気持ちになるのはきっと、とてもとても、自分にとって究極に苦手な行為だからなんだろうなぁと思う。私はぼーっとすることがうまくできない。何か触っていないと落ち着かない。

でも、もし私がトドスサントスの男に生まれていたら、ああやって上から下を眺めて一日過ごしていたかもしれない。だってそれしか選択肢がないとしたら。

その乖離を感じたとき、「宇宙が無限にある」ことを考えるときと同じように、悲しいほどに、頭が思考の限界に達してしまうのだった。

朝のトドス散歩


ここが泊まった宿「Hotelito Todos Santos」。

todossantoscuchumatanes.weebly.com
こちらに記載が。

ちなみに「Todos Santos Cuchumatán」という地名はメキシコにもあるようなので、お気をつけて!そしてこの宿と全く同じ名前のホテルがそのメキシコのトドスサントスにもあるという、紛らわしい状況。この記事のトドスサントスは「グアテマラ」にあります。

「Hotelito」の語尾「-ito」というのは「小さい」という意味。小さな宿、かわいらしい宿、みたいなニュアンスかと。「-ito」「-ita」を現地の人はやたらと名詞にくっつけて、小さいかわいらしいもの、という言葉に変えます。時には侮蔑的な意味も含みますが、大体は前向きかなぁ。ちょっと豆知識…。



山の方に登ると、美しい風景。朝の空気が気持ちよかった。


ナオミさんは民族衣装がカッコイイ!と言って買っていた(意外と高い。そこも制服っぽいのだけど)。素敵。


羊。


民家の前に犬。


なにかの会合?に遭遇。


美しい村だった。



次回、スペイン語学校とホームステイを終え、アティトラン湖周辺へ5日間の旅。
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