ここではない、どこか遠いところ

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愛とは、|『星の王子さま』サン・テグジュペリ

「きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ」
ーp.108

そう、キツネは言った。

当たり前のことではない。その真理は、至極簡単なようでなかなか気づけないこと、気づいてもすぐに忘れてしまうこと。

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愛とは、何だろう?

「きみたちのためには死ねない。もちろんぼくのバラだって、通りすがりの人が見れば、きみたちと同じだと思うだろう。でもあのバラだけ、彼女だけが、きみたちぜんぶよりもたいせつだ。ぼくが水をやったのは、あのバラだもの。ガラスのおおいをかけてやったのも、あのバラだもの。ついたてで守ってやったのも、毛虫を(中略)やっつけてやったのも。文句を言ったり自慢したり、ときどきは黙りこんだりするのにまで、耳をかたむけてやったのも。だって彼女は、ぼくのバラだもの」
ーp.107

愛とは、毎日水をあげること
愛とは、さまざまな障害物から守ってあげること
愛とは、小さな虫をひとつひとつ取り除いてあげること
愛とは、相手の話に耳を傾けること
愛とは、元気のないときに特別な世話をしてあげること
愛とは、困難に直面し共に解決すること

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相手を好きと思う気持ちだったり、相手のために奉仕してあげたいという精神だったり、そういう「測れない純粋な熱量」が愛だ、と考える時期があった。

もちろんそういった熱量が愛の大切な要素であることは否定できない。

でも、愛は決して、瞬間的なものではない。3日前に出会った人に愛を抱くことはないと、断言してもいい。

愛は、継続だ。


だから「愛している」という言葉は、厳密に言えば成立しないのかもしれない。

私はあなたを愛してきたし、これからも愛していくと思う。でも、今この瞬間にあなたに抱く感情は「好き」とか「大切だ」とか「一緒にいたい」であって、「愛している」ではない。


愛は、自分が相手を想い、費やした時間そのものなのだから。

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「これが愛なのか?」

人に対しても、職業に対しても、そう不安になる時はきっと誰しもあるだろう。

だから忘れないようにしたい。

愛が、過去と未来という時間の内にあるということを。


今週のお題「読書の秋」