ここではない、どこか遠いところ

旅行記、写真、読書、日々考えること

思いのままに言葉を綴るために

春からブログを始めたことと、たまたま仕事で文章を書くタイミングが重なったことにより、自分の文章とはじめて真っ正面から向き合うことになりました(本来は文章を書く仕事ではないので)。

以前から文章を書くのが好きだったけれど、それは一人で好き勝手に書いて誰にも読まれないような状態だったので、読む人にマジメに意見されたり、アクセスを気にしたり…というのは初めてです。そういえば、大学で卒論というものを書いたことがないしな。

仕事では仕事の文章を書く。
仕事なので、もちろんブログよりちゃんと(?)書いていますが、私的なものではないので感情を押し出すようなものは書いていません。

そして、ブログではブログの文章を書く。
アクセスも多くなく全く収益にはなっていないけれど、それは置いておいても自分の書きたいことを書こう、と模索してきました。写真を載せるというのも一つの大きな目的だし、デザインもある程度凝りたいので、文章をただひたすら書くというよりは複合的に画面を作っていったという感覚が近いです。

そのようにして数ヶ月経ったのですが、

ずっと、なんとなく喉につかえた小骨がいるような感覚を拭うことができず、スッキリしない日々でした。

特に、自分の好きなようにテーマを決めて書いていいはずのブログの方が、制約のある仕事よりも楽しくない。と感じ始めたら、「なぜなんだろう?」とモヤモヤがつのる一方でした。

そして数日前にその気持ち悪さの要因が、やっとわかったのです。

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ものすごく簡単にまとめると、その要因は「文章が短すぎる」ということでした。

きっかけは村上春樹『ラオスにいったい何があるというんですか?』という紀行文集を読んだこと。

村上春樹さんのエッセイ(紀行文を含む)は面白いと以前から思っていたので、だいたい読んではいるのだけれど(詳しくは以下の記事をご覧ください)、この最新刊も例に漏れず面白かったです。またレビューは別に書けたらいいな。
www.anyplacebut.tokyo

ただ自分にとって「きっかけ」になったのはこの本で新しく得た知識ではなく、どちらかというと「そういえばそうだった!」という発見でした。

その発見とは、自分がこういう「本」みたいなものを書きたかったはずだ、ということです。

ブログと本はあらゆる面で違います。
ブログは印刷物ではないし、無料だし、横書きだし、リンクも張れるし、匿名性が高い。

そんな「ブログ」を書こうと決めた私は、「ブログ」というステレオタイプに頭を占領されてしまい、「良きブログでなければいけない」と無意識のうちに思い込んでいたのだ…と、気づいたのです。

その一方で「ブログ的なもの」を書いている自分や、結果として生まれた自分の記事がどことなく腑に落ちず、なんだかスッキリしない、何かが違う、けど何が違うかわからない。と、気づけばなんとなく筆が遠のいていってしまっていました。

ブログだから、キャッチーなキーワードを入れなければいけない。

ブログだから、文章が長すぎてはいけない。

ブログだから、見出しや写真を適度に挟まなければいけない。

誰に教わったわけでもないのに、元来の生真面目すぎる性格が災いして(?)いろいろとブログについて調べていました。本気で書いてみようと思えば思うほど、そんな通り一遍の「ブログノウハウ」に支配され、結果として書きたいものが全く書きたいように書けていなかったのです。

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本当は、もっと文章をきちんと長く書きたかったんだ、ということに気づきました。

むやみやたらに長くというわけではないのですが、ブログらしい読みやすさを意識した記事ではなく、もっと本のようなものでいい。

たとえそれが多くの人に受けなくても、検索にひっかからなくても。

私はブログで「情報」や「知識」を切り売りして伝えたいのではなく、あくまで「ストーリー」を書きたい

一冊の本のように、大切な文章が集まる場所にしたい。自分が体験したこと思ったこと、感動した場所や小さな会話、誰かに伝えたい景色。そういう文章を読むのが好きだし、書くのも好きだから、ブログを始めたはずだったのです。自分が書きたいものを書かなければ、きっとこの先続かないし、誰も読みたいと思わないだろう。

……と、本来の紀行文の意図とはまったく違うと思うのですが、勝手ながら開眼させられた気分です。

(もちろん、情報を伝えるような記事も書きたいです。でも、もっと自分の言葉を使わなければ、と思っています。)

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そんなわけで読みにくいブログを今後展開させていくことになるかもしれませんが……「喉の小骨が取れた!」と自分がスッキリできるような記事を書いて、それを読んだ人に少しでも何か受け取ってもらえるといいな、というのが当面の目標になりました。

今の私にとって、もはや収益などどうでもいいものになってしまいました(笑)書きたいことを書きたい。読んで、感じてもらいたい。何のためにやるのかと問われると自分でもよくわからないけれど、ただただ、伝えることが好きなんですかね。


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www.anyplacebut.tokyo