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石の教会は静かに海を見ていた|頭ヶ島天主堂【五島列島の旅 04】

世界遺産に登録された構成資産のひとつでもある頭ケ島集落の「頭ケ島天主堂」は、中通島のちょうど真ん中あたり、有川港の近くにある。

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五島の食事には気をつけるべし!

早朝に東京を出てからここに来るまで、お昼を食べ損ねてしまっていた。

どこかで食べられないか〜と探すも、どの店もランチは14時か14時半まで。15時過ぎると選択肢は全くない。(カフェらしきものも見当たらないし、ファーストフードも皆無)

五島で美味しい食べ物といえばまずは海鮮、つぎに五島牛、そして五島うどん。

お昼だから五島うどんが食べたかったのだけど…有川港にある「五島うどんの里」に行っても、もう営業していない

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結局、有川港近くのポプラ(コンビニ)で弁当やらおにぎりやらを買って、車の中で食べた(港は風が強過ぎて断念。とにかくこの日は風が強かった)。

でもこれも、楽しかった。…というか、お腹がすきすぎていて、もはや食べられるというだけで異常に幸せを感じた。

まさに空腹は最高のスパイス!

旅に出ると思わぬハプニングやうまくいかないことが必ずあるけれど、五島に来てまでコンビニの焼きそばを食べているというのも、それはそれで面白いなぁと思ったのである。

ちなみに有川港の周辺は一応街並みがあるのだけれど、人はほとんど歩いておらず、お店もあまりやっていない、かなり静かな所

中通島全体で、コンビニ(ポプラ)は2軒程度、スーパーもほとんどないし、ファーストフードもないし、とにかく食事には注意したほうがいいです。前もってガイドブックをみて目星をつけ、営業時間帯を狙って行く。できれば予約を。行けば何かしらあるだろう、という感覚は通用しません!

頭ヶ島天主堂とは

いよいよ、頭ケ島天主堂を目指す。

頭ヶ島天主堂は中通島から橋でつながった「頭ヶ島」という小さな島にある。この島では、かつて1軒をのぞいて全員がキリシタンだった。もともと離島のさらに離島ということで、役人の目が届きづらかったらしい。でも、五島崩れの際に信徒は島を離れてしまい、迫害が終わってからこの島にまた戻ってきて、教会(天主堂)を建設したんだとか。*1

「五島崩れ」とは?

「崩れ」とは、潜伏時代に信仰を語り継いできた組織が大規模に摘発されることである。日本は明治時代を迎え、開国したにもかかわらず禁教が解かれないなか、1865年の大浦天主堂での「信徒発見」をきっかけに、五島でもキリシタンたちが次々と信仰を表明した。明治政府は組織を一掃するため、弾圧を始めた。久賀島の牢屋の窄(さこ)では静かな湾に面したわずか6坪の牢屋に約200人のキリシタンが収容された。この悲劇がプティジャン神父によってヨーロッパに伝えられると、日本は各国から非難を受けるようになり、やがて明治政府はキリスト教を認めることとなった。
出典:
久賀島から始まった五島崩れ | 「おらしょ-こころ旅」(長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産)

五島の教会の多くは「鉄川与助」という建築家・兼・大工棟梁の手によってデザインされ、建てられている。この頭ヶ島天主堂もしかり。石造りの教会は珍しく、その石は、近くの島から切り出したものを信者が運んだとのこと。*2

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まずは上五島空港へ

上五島空港という現在は使われていない空港が観光センターになっており、観光客はそこへ行って車を停め、バスで頭ヶ島天主堂まで運んでもらう。つまり、頭ヶ島天主堂に直接車で行ってはいけないので、注意が必要。

▼詳しくはこちら
頭ヶ島パーク&ライドについて - 新上五島町 - 長崎県 五島列島 新上五島町公式


どことなく日本の宗教建築を思い起こさせるような形態が特徴的な、かわいらしい空港。(とても小さい)


なぜ空港のまわりってこういうパームツリーっぽいのが生えているんだろう?

空港内の観光センターは展示スペースにもなっていて、上五島にある教会の内観や説明が観れるようになっている。名産品のお土産も少しだけ売っていた。

ほどなくして、バスは天主堂へ向けて出発した。乗車人数は10人弱だったかな?10分程度の距離だったと思う。
空港は山の上にあったので、山を下って教会に向かうようなルートだった。

ぽつんと、静かな場所

天主堂までは長いアプローチ(道)があり、その脇にはサツキ?ツツジ?が咲いていた(いつも違いがわからなくなる…)。

遠くに見える石造りの天主堂は、これまで見た教会とはあきらかに違う重厚感があった。



うしろに山並みを背負っているところも含めて、絵になる教会だなぁと感じた。

この石のひとつひとつを手作業で運んで積んでいったのだから、大変だよなぁ。

どこか独特な印象を受けるのは、そのやや頭でっかちなプロポーションのせいじゃないだろうか。全体の高さに対して、十字架のてっぺんからドームの部分までの比率が大きく、丸窓もけっこう低い位置にある。
こんな表現をしていいかわからないけれど、白い帽子をかぶった給食のおばちゃん的なずんぐり感がある。いい意味で。


この木、おもしろい形だなぁと思ったけど、樹種がわからない。

内部は意外と可愛らしく、中ノ浦教会と同じように椿のモチーフが散りばめられていて、この男前な外観からはちょっと想像し難いようなパステルカラーの雰囲気だった。でも、中ノ浦教会のようなビビッドな椿ではなく、もうすこしふんわりとした印象。

教会の右奥にはルルドが。


空が広く、静か。


一通り見学して、外でバスを待とうとしたら、途端に大粒の雨が降ってきた。

どんどん強くなり、ついには本降りに。
これは、ゲリラ豪雨だ!

電気自動車の充電スポットの狭い狭い掘建て小屋に数人が入って、雨宿りをした。


すると、隣にいたおじさんに話しかけられる。

ここでもやはり「どこからきたの?」と聞かれ、東京、というと、また「へえ〜」という(”よくそんな遠くから!”というような)反応が返ってきた。

「五島だけ?」

「そうです。教会を観に来ました」

「雨降っちゃったから今日はもう終わりでしょ?」

「本当は夕陽を見に行きたかったんですよね…」と言うと、

今日はもう無理だね」と。それくらい、雨は強烈だった(関東はその翌日かなり荒れたとニュースで知った)。


そうこうしているうちに、やっとバスがきて、みんなでわーーーっと駆け込む。



空港に着く頃には雨はほとんど止んでいた。


教会の傍にはキリシタンの墓地が。

教会も、墓地も、静かに海を眺めているようだった。


INFO


頭ヶ島天主堂
長崎県南松浦郡新上五島町友住郷頭ヶ島638-1
(有川港から車で約20分)
見学時間:9:00〜17:00

↓詳しい解説、内観などたくさんの情報があります。
頭ヶ島教会



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【使用しているカメラ/レンズ/フィルム(左下に透かしのある写真)】
Nikon F3+Nikkor 28mm f/2.8+Fujicolor C200

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